茨城一家殺傷事件は「第2の酒鬼薔薇事件」なのか(青沼陽一郎)

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岡庭容疑者は、高校2年生の16歳だったちょうど10年前に「連続通り魔事件」を起こしている。2011年11月18日、三郷市の路上で中学3年生の女子生徒のあごを包丁で突き刺して怪我を負わせ、2週間後の12月1日には隣接する松戸市の路上で小学2年生の女児の脇腹など数カ所を刺して重傷を負わせている。岡庭容疑者はこのときに、こう供述していた。
「人を殺してみたかった」
それ以前から身近にいる小動物の虐待を繰り返し、高校にネコの生首を持ち込んで騒ぎになったこともあった。それだけではなく、三郷市内の自動車やバイクに放火を繰り返していた。岡庭容疑者は、通り魔事件で逮捕されると、家裁から検察に逆送され、2件の殺人未遂罪のほかに、放火やネコ2匹を殺したという動物愛護法違反などを合わせて、13の罪で起訴されている。


岡庭容疑者は、昨年11月に自宅に硫黄約45キロなどを貯蔵したとして埼玉県警に逮捕され、さいたま地検が12月に消防法違反の罪で起訴している。硫黄は猛毒の硫化水素を発生させるだけでなく、爆薬に使用できる。
その際の家宅捜索では大量の硫黄のほかに、猛毒のリシンを含有するトウゴマや抽出に使う薬品など毒物と、100本以上の刃物など約600点が押収されている。今年2月には警察手帳の記章を偽造した疑いで茨城県警が逮捕、3月に水戸地検が起訴している。